効果抜群!英語シャドーイング指導の方法と手順
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英語の学習法として知られているものの代表例として、シャドーイングが挙げられます。
シャドーイングと言うと、一般的には「英語を後からついて言う練習法」というイメージが強いと思います。
しかし、やみくもに生徒にやってもらっても、ついてこられなかったり、効果が薄かったり、といった経験はありませんか?
シャドーイングにも学習ステップがあり、目的によって注意点も異なります。
今回はビギナーから中・上級学習者の指導にまで使える、シャドーイング指導法をご紹介します。
まずはじめに・・・シャドーイングとは?
シャドーイングの定義
シャドーイングとは「聞こえてくる音声の英文を少し遅れて、追いかけ再生の要領で声に出す」ことです。
英会話講師の皆さんは日々実践されているかもしれません。
ただ、上級者の場合「なんとなく出来てしまう」ので、ビギナーを指導する際に踏むステップを飛ばしていることがあります。
また、自分自身も「なんとなく口を動かしている」状況に陥っていることがありますので、ここで一度立ち止まって、効果的なシャドーイングについて考えてみましょう。
シャドーイングの効果と目的をしっかり意識しよう
シャドーイングの効果はリスニング・スピーキング・リーディングの3つの力の向上です。
「もっと聞きとれるようになりたい」と、リスニングスキル向上のためにシャドーイングを取り入れる方が一番多いと思います。しかし、シャドーイングの効果はそれだけではありません。
発音に着目して練習すればスピーキングのスキルアップにつながりますし、内容に着目して中身を頭から理解しながら練習すれば読解力アップにつながります。
シャドーイングにはこのように様々な効果が期待できるため、「目的をはっきりさせて」練習することが大切です。
英語シャドーイング指導で使う教材
シャドーイングに使う素材はどのようなものがよいでしょうか。
学習者のレベルや関心に合った語彙・構文・内容のものを選びます。
ビギナーの場合、写真や絵などの視覚的補助があるものがおススメです。
例えば、物語・エッセイ・自然や社会問題に関する記事などでネイティブスピーカーによる音声があるものを使用します。
ここで言うビギナーとは、学校での英語学習経験がある大人の場合ですので、子どもの場合は英語学習4,5年目を目安とします。
私は、小学生にはWe Can! (Mcraw Hill出版)のstudent book 5~6、中高生にはFour Corners (Cambridge大学出版)level 3~4を使用しています。
大学生以上であればTOEICのリスニングパートや動画が視聴できるTED talk、またEnglish Journal(アルク出版)がおススメです。
特にEnglish Journalのような月刊誌では旬の話題に触れることが出来、飽きずに学習が続けられます。

英語シャドーイングの指導手順
(1) テキストを閉じてリスニング
通常のスピードで聴き、話されている内容を大まかにつかみます。
テキストは閉じておきます。
(2) テキストを見ながらリスニング
今度はテキストを見ながらわからない単語にラインを引くなどしながら聴いてもらい、その後わからない箇所を確認します。
単語の説明は、意味を日本語で伝えて済ますのではなく、なるべく類義語を使う、図示するなどしてイメージをつかんでもらうのがおススメです。
(3) スラッシュ
オーディオの息継ぎやポーズがある箇所で、斜線(スラッシュマーク)を入れていきます。
再生速度は息継ぎやポーズを生徒が聞きとれる程度に調節します。
ちなみにこのスラッシュで囲まれた部分が意味のかたまり(チャンク)になっているため、英文の意味が分からないときには理解の助けになります。

(4)マンブリング(mumbling)
音声と同時に、小声でつぶやく要領で英文を読んでいきます。
英語らしい抑揚やリズム、発音に気をつけます。
途中で置いてけぼりになる生徒も出てきます。
すると、音声は終わっているのに生徒が最後の文を音読している声が聞こえてくることになります。
マンブリングはあくまでも、お手本の音声の抑揚、アクセントを体感してもらうためですので、目的をはっきりさせ、生徒には「全部読もうとしない。言えなかったところは放っておいて、聞こえてくる英語をつぶやくよう」声をかけます。
(5)音読(グループやペア、一人で)
生徒の実力に合わせて活動内容を考えます。
あらかじめ英文のパラグラフに番号をふります。
比較的多くの生徒がいるクラスであればパラグラフの数だけグループを作ってもらい、担当するパラグラフをグループ全体で読ませるクラスでの活動が出来ます。
読むことに慣れていればペアワークにして、交替でパラグラフを読み合わせるアクティビティにするとよいでしょう。
マンツーマンのレッスンであれば講師と交代で音読し、その後一人で音読するといったアクティビティが考えられます。
(6)内容理解
クイズ
True or False quizやYes/Noで答えられないopen questionで理解度を確認します。
英文を読む際に日本語に訳して理解しないと「内容が分かった」と感じられない生徒がいますが、いちいち日本語に訳して読むと読むスピードが落ち、リスニングやスピーキングにも悪影響が出ます。
「訳さなくても内容が把握できる」よう、クイズで内容理解を深めるよう、先生の工夫が必要な箇所です。
サイトトランスレーション
スラッシュで区切ったチャンクを活用して、チャンクごとに前から直訳して示します。
返り読みを防ぎます。
毎回素材が新しくなるたびに、サイトトランスレーションで先に内容を確認しておくのもよいでしょう。
(7)プロソディ・シャドーイング
発音に着目してもらうため、テキストを見ずに、レベルより少し遅めと思われる速度で再生し、少し遅れて声に出してもらいます。
口はしっかり動かし、声も出すように伝えます。
テキストを見ながらシャドーイングすると、自分が思い込んでいる発音になるため、いったん本は閉じて行います。
特に、カタカナ語になっている単語の場合「思いこんでいる発音」になる可能性が高いです。
(8) コンテンツ・シャドーイング
内容を理解しながらシャドーイングを行います。テキストは見るとき、見ないときの両方で取り組むとさらによいでしょう。
ここまですると、英文が頭の中にかなり入ります!
中・上級者の場合
場合によりますが上記の(2)(6)は飛ばすのもアリです。
しかし、基本的には上記のステップに無駄な部分はないと考えます。
私も、時間があればこのステップで練習したい!と常々思っています。
英語シャドーイング指導の注意点
耳から口へスルーはダメ
慣れてくると、理解していなくても、聞こえてきた音声を機械的に耳から口へスルーして言うことが出来てしまうのが、シャドーイングの難点でもあります。
この時点でこのトレーニングはなんの意味もなさなくなってしまうので、生徒には気をつけてもらいましょう。
上級者でも速度はゆっくりで
特に(4)のマンブリングや(7)の発音に着目したシャドーイングは、かなり速度を落として練習してもらいます。
上級者でも日本語ネイティブの場合、口の動きや舌の力がネイティブスピーカーよりかなり弱いため、お手本の音声と同じ音に近づけるように意識してもらいます。
例えば”TED talk”の場合、スピーカーがナチュラルスピードのネイティブスピーカーであれば、再生速度を50~70%に落とすと、自分の発音を見直すことが出来ます。
シャドーイングの際の自分の声を録音してチェックすれば、自分が直すべき箇所を知ることが出来ますね。
日本で育った英会話の先生は、程度の差はあれ、どうしても英語の発音に日本語の影響が残りがちです。
また、児童英語の先生はフォニックスを指導する方が多いため、単語ひとつひとつの発音はきれいですが、文章や会話となると、母国語の影響が顕著になることもあります。
かくいう私も、油断すればすぐに口が怠けてしまいます。
英語というのはものすごく、口周りの筋肉を使う言語なのです。
英語ネイティブでない以上すっかり克服することは難しいですし、発音がすべてではありませんが、英語の先生も含めて、上級者にとってもシャドーイングは大変意味があるトレーニングです。

英語シャドーイング指導法まとめ
細かいステップを踏んだシャドーイング指導を自分のレッスンに取り入れるようになって、小学生の子どもたちでもきれいな発音で音読が出来るようになりました。
宿題でもシャドーイングに取り組んでもらうことで、自然な表現が頭に残るため、アウトプットにも効果が感じられます。
そして、私自身も「基本に帰る」ことで自分の発音に厳しい目を向けることができるようになりました。
基本は大切。まさに「学問に王道はなし」ですね!