英語講師はどうやって英語力をあげてるの?

英会話講師の勉強法

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日本人講師にとって、自身の英語力アップは日々の課題ですよね。

■先生たちはどうやって英語力をあげてるの?
■わからない表現があったときはどうやって調べてる?

など、先生自身の英語勉強法、英語力アップの仕方については、よく聞かれるご質問です。

そこで、これまでに何名かの先生にヒアリングした結果をまとめてみたいと思います。

生徒さまの興味にあわせて様々な話題のリサーチをしながらレッスンの準備をする

すでに英会話講師をされている方は、担当しているそれぞれの生徒さまにあわせて行うレッスン準備が、ダイレクトに先生自身の英語力アップにつながっているそうです。

勉強法についてですが、私は普段のレッスン準備と関連づけて学習することが多いです。
生徒さんのお仕事や興味に合わせて、経済、文化、スポーツなどの英字新聞の記事をネットでチェックし、内容を説明できるようにするとともに、良く使いそうな表現をいくつかピックアップしておきます。

その内容を1日に一人か二人、レベルの高い生徒さんにウォームアップとして使います。
また病院にお勤めの生徒さんが何人かいらっしゃるので、病名など医療系の単語がすぐに答えられるように単語帳を作成中です。
そのほかレッスンの中で、質問されてわからなかったときはその場で電子辞書を引き、特に忘れないようにメモして例文を作るなどしています。

TOEICを目指す方がいらっしゃれば、レッスンで教える内容を実際に解き、解説できるよう準備することでかなり力がつくと思います。
音読練習するとリズムも身につきやすいと思うので、パートⅣを使って音読やシャドウイングの練習をするとよいです。
(福田先生)

普段自分が思うこと、出来事、生徒さまとの雑談、テレビや映画を見た時の印象などを英語に代えています。

理想はこれらを即、書き記す、ですが、移動中やレッスン中また思いを全て即その時に書き記す事はできません。
後から思い出しながら、多少変更も加えた形のメモ、または走り書きのようになっています。
それを見直し そこに見出せるルール(文法)を決めたら、生徒様に合わせそれぞれの方に適切な例文作りにかかります。
(会話文が中心)
これの最終目的は「生徒様の成長」。
もちろん私自身の成長も必須ですが それは良いレッスンをご提供することの結果、ご褒美のようなものだと思っているので、自分の工夫と努力が即レッスンの質向上につながることを第一に考えます。
例文には旬の出来事や季節のものを なるべく生徒様とよく話す言葉をおり入れるよう意識しています。 
(かなえ先生)

講師自身の興味のある本やドラマを大量にインプットしながら、使えるフレーズ(アウトプット)につなげていく

生徒さまにも興味のあるドラマやテレビ、本や映画を読むことはオススメされていると思いますが、もちろん、講師自身も、そういった媒体を通して自分の興味ある分野で、インプットを大量に行っています。
ただし、単にインプットをするだけではなく、すぐにアウトプットできるレベルに近づけるよう、「この表現は使えそう!」と思ったらすぐにメモを取る工夫をどの先生もされているそうです。

自分の好きな本、ドラマなどで、常にナチュラルな英語に触れている、ということが役に立ちます。

私は村上春樹が好きなのですが、彼の本も必ず英訳を読むようにしています。
日本人の作品を英語で読むと役に立つのは、日本的な微妙なニュアンスの表現を英語でどのように言うのかヒントがいっぱいつまっていて、とても勉強になります。
このようにして出会った言い回しは、こまめにメモ帳につけていきます。
このようにしてできたメモ帳は自分自身の英語表現帳となり、あとでかなり勉強になります。
メモ帳はあとで暗記するために使う、というよりも、’書く’という作業だけでも、勉強になるのでおすすめの方法です。

ドラマは自分の好きなものを選び、継続することにより、大量に見るようにします。
好きで楽しめるものなら何でも良いと思いますが、ちなみに私が今までに見て面白かったのは Friends, Desperate Housewives, Ugly Betty, 24, Homelandなどで、いずれも夢中になるほど面白かったです。
皆さんも自分が好きになれるものを見つけてください。
そして、同じエピソードを1回目は字幕なし、2回目は英語字幕あり、3回目にまた、字幕なしで繰り返し見ると、1回目で自分が聞き落とした部分がわかり、リスニングのスピードアップにつながります。

ニュースはケーブルテレビでBBCかCNNを見ています。
ニュース速報の他、討論番組なども、意見の言い方、主張の仕方、反論の仕方などとても勉強になります。
このようなドラマやニュースの中で1番で練習したフレーズが出てきたら、しめたもの、フレーズ帳を確認して書いていなかったら追加しています。

(ユキコ先生)

ドラマやニュース、映画俳優のインタビューなどを意識して聞き、使える表現を探すようにしています。
まとまった時間を取るのはなかなか難しいと思いますが、移動時間を利用したり朝30分早く起きるなど、隙間時間をうまく使って様々なジャンルの話題をインプットしていきたいですね。

(福田先生)

好きな小説の英語翻訳ものを読んでみる、海外ドラマや英語を日常的に繰り返し見る、podcastを移動時に聞くなど、をしています。
(ひざわ先生)

NHKテキストや語学テキストを使い、レッスン準備と併行してテキスト学習をする

レッスンで使用するテキストを隅から隅まで予習し、レッスンに使えるレベルまでマスターすることの繰り返しが、先生自身の語学力アップにつながります。
特に、NHK語学テキストは、内容もシーズンごとに変わりますし、生徒さまのレベルにあわせて、基礎からビジネスレベルまで幅広く対応できますので、先生の英語力アップにもつながります。
オンタイムでテレビやラジオを聞くのは難しいですが、アプリやウェブサイトなどで空いた時間に学習できるのがいいですね。

→NHKの番組が聞けるアプリはこちら:
https://www2.nhk.or.jp/gogaku/app/

私が使用している教材はNHKのラジオ講座 杉田 敏先生の実践ビジネス英語です。
放送のある決まった時間に聴くのは難しいので、ストリーミングを利用してiphoneで通勤の行き帰りに歩きながら聴いています。

このテキストは架空のビジネスのシチュエーションで最近のホットな話題(環境問題、ワークライフバランス、ITの弊害など)について語られる、というもので、ビジネスピープル同士のナチュラルでありながら、英語上級学習者のための便利なフレーズ(例えば、~come at a price, go out of one’s way to~、be led to think~といったフレーズ)がふんだんに使用されるという工夫がなされています。

まずは、上記のNHKのテキストを見ずに会話を聞き全体を理解します。
この時、最初にテキストを見ない、ということが肝要です。
テキストを見てしまうと字面を追ってしまい、集中力のレベルが下がります。
それに対してテキストを見ずに最初から聞くと意味を取るために聞き逃すまいとするので集中力があがります。
同じ時間をかけるのでも集中力が低いのと高いのではフレーズの定着効率に断然差がでます。

次にテキストを見ながら聞いて、細かいところのチェックをします。
気になったフレーズは自分のフレーズ帳に追加していきます。
これは次のステップで、不正確なまま、あるいは理解があやふやな部分があるまま発話練習をしてしまう危険性を避けるために必要なステップです。

その後、シャドウィングによるリピート練習をします。
実践ビジネス英語のストリーミングは三つの会話(合計45分)が一週間聞けるので毎日の日課としています。
そうすると、同じ会話を7回練習することになるので一週間が終わる頃にはフレーズはほぼ頭に焼き付きます。

(ユキコ先生)

生徒さんにはNHKテレビの大人の基礎英語を薦めているので、テキストを準備し、番組もできるだけ見るようにしています。
リーディングに関してはアスク出版の’2週間で英語の読解スピードが3倍になる本’(浅見ベートーベン)を教材に使いながら、自分の学習材料にもしています。
ひとつのパッセージが800ワード前後と少し長めですが、飛行機のダブルブッキングやオンラインショッピングなど話題が身近で読みやすいです。
わかりやすい表現が多いので、ライティング力、スピーキング力をあげるにもよいと思います。
(福田先生)

自分の英語に自信がないときは?Googleで調べる、ネイティブ講師に聞く。

どんなに日々のインプット・アウトプットに努めていても、私たち日本人講師にとっては、「ナチュラルな表現かどうか」を判断するのには限界もあります。
Googleで調べたり、ネイティブ講師のレッスンをとって自然な表現か確認するなど、先生たちも学習者として外部の力を借りることももちろん必要です。

自分が表現したいトピックをしぼり、言いたいことをピックアップして、英語らしい表現を追及していきます。
身近にネイティヴの人がいれば、助けを得てもいいと思いますが、そういう状況でなければ、Google検索でQuotation Markで自分の考えた言い回しをくくって検索すると、その表現が、どの程度通用するか、一応の目安を知ることができます。
自分の表現が万単位のヒットを得れば、一応acceptable なのかな、と思います。
私は、自分で作った英語表現に自信がないとき、この方法を時々試します。

(ユキコ先生)

やはり生きている人間との会話をすることがコミュニケーション能力を維持し、かつ自分の習得したフレーズの定着を継続させるうえで重要となります。
家族にネイティヴスピーカーがいる人は問題ないのですが、そうでない場合、なんらかの努力が必要となります。
Meetupなどのサイトで共通の興味をもった人々と会って話しをする機会を時々もっても効果があると思いますが、何と言っても一番効率が良いのは、カフェスタイルの英会話スクールでプライベートレッスンをとり、discussionやdebateの練習をリクエストして定期的に行うことです。
ちょっとお金がかかってしまいますが、月2万円程度で質の良いネイティヴ講師のレッスンを受けられるところもあります。

(ユキコ先生)

現在月1回60分のスカイプレッスンをアメリカ人の先生に受けています。
スカイプレッスンも色々試しましたが、ようやく良い先生に出逢うことができレッスンを受けています。
自身の弱点であるライティングの添削や、生徒さんからも質問で、文法的にはあっていても、いまひとつ自然に聞こえるかどうか自身の感覚で判断が付かないセンテンスなどをまとめて先生に見てもらっています。

例えば素晴らしい映画を観終わって余韻に浸っていた、という文章。
生徒さんの文章
I bathed in the afterglow for a long time.

私の添削
The beauty of the movie lingered inside me for a long time.

米人講師の添削
I lingered over the afterglow of the movie for a long time.
I bathed in the afterglow of the movie’s mood.

上記を始め、ネイティブにしか判断のつかない「感覚」的な部分を補ってもらうのにとても役立っています。

(ひざわ先生)

いかがでしたでしょうか。

先生たちから質問の多い、「先生自身の英語力アップについて」をまとめてみました。

最後に、ひざわ先生からのコメントをご紹介します。

生徒さんからは「英語がペラペラの先生」と思われる事も多いのですが、実際はあくまでもEnglish as a second languageであり、生徒さんと変わらないlearnerである事を早い時期にお伝えしています。
また瞬時に答えられない事は「今度スカイプの先生に確認しておきますね」ともお伝えしたりもしています。
そう正直に伝える事で生徒さんの学習に対する壁が少し取り払われたり、モチベーションが上がる事に繋がったような事もありました。

何でも完璧に答えれることだけが、良い先生であるとは限りません。
自分も学習者であり、学習者として良い手本を見せることも、日本人講師にとっては大事な役割ですよね。
わからないことはわからない、と正直に生徒さまに伝えること。
そして、次までに必ず自分なりにリサーチして、生徒さまに見解を伝えること。

それを怠らなければ、生徒さまからの信頼がすぐになくなるわけではありません。
なんでもその場ですぐに答えなければならない、というプレッシャーから、知ったかぶりをしてしまうことのほうが信頼低下につながってしまいます。

先生たちの勉強法、ご参考になってみてください。

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