英会話講師として採用される人材とは(レッスンの行い方)

英会話講師として採用される人材とは(レッスンの行い方)

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「講師としての適正(ヒューマンスキル)」については大前提となる部分ですが、今回は多くの面接で実施される「デモレッスン」のテストで気をつけるべきポイントを中心にお話したいと思います。

さて、英会話を教えた経験については、過去の講師経験を優遇するスクールと、あまり考慮しないスクールとに分かれますが、ここでは「講師経験を優遇する場合」を前提にお話いたします。

募集要項に「経験者優遇」と書いてある場合、ほとんどのスクールでは面接時に「デモレッスン」を行います。

その際、下記のようなことをチェックしてみましょう。

■レッスン全体の流れは適切か
■課題の提示・説明方法は適切か
■練習方法は適切か
■褒め方、間違いの直し方は適切か
■板書の仕方、メモの取り方は適切か
■目線の配り方、声の大きさは適切か
■講師の雰囲気作り、演技力、ジェスチャーはあるか

それでは順をおってご説明いたします。

ポイント1:レッスン全体の流れは適切か

一般的なレッスンの流れはこのようになります。

■ウォームアップ
生徒を英語モードに引き入れるためのスモールトークです

■イントロダクション
本日の課題・テーマを意識したスモールトークです

■ターゲット
本日の課題についてわかりやすく説明します(英語・または日本語)

■プラクティス
本日の課題をリピートにより定着させます(必要があれば単語の導入も行います)

■応用
実際に使われる場面を想定しロールプレイや反復練習を行います

■まとめ
質問があれば受け、本日の課題のまとめと宿題の話をします

デモレッスンは時間が短いので「イントロダクション」「ターゲット」「プラクティス」のいずれかの部分のみを行うか、または各パートを 短くし全体を通して行う形となるでしょう。

いずれにしても、ターゲットを明確にすること、また反復練習で定着させることが大事です。

ポイント2:課題の提示・説明方法は適切か

デモレッスンでは対象となる生徒のレベルが提示されます。
初心者対象の場合、多くのことを一度に教えるのではなく「ターゲットを絞って」教える必要があります。

たとえば不定詞の場合、「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」を全て教えようとするのではなく、一番会話に使えて生徒が理解しやすいものを優先して選ぶべきです。

中級者をターゲットとして指定される場合(そのような場合はほとんどないと思いますが)まず全体を説明してから細部に入る、という方法も考えられます。

文法の説明は口頭だけでなく、イメージや図をすぐに書けるようにしておくと良いでしょう。

初心者向け 文法書は書店にたくさん出ています。
イメージ・図を用いてわかりやすく説明しているものが多いのでそれらを熟読し、人に教えるときにはどのように教えるのか、常にイメージしておくと良いでしょう。

日本語と英語のバランスについては、そのスクールのメソッドにもよりますので事前にチェックをしておきましょう。

英語のみでレッスンを行っている場合、デモレッスンも英語のみで行ったほうが良いかもしれません。

ただし一般的には、日本人講師の良さを生かし、日本語を使うべきところには日本語を入れていく指導方法が望ましいと思います。 (生徒のレベルにもよりますので一概には言えませんが)

早い英語のみで説明をしても生徒には全く内容が響きません。
さらに自信を失うだけです。
自分の英語力を誇示するのではなく、あくまで「わかりやすさとは何か」を常に追求するようにしましょう。

ポイント3:練習方法は適切か

練習の方法としては様々な方法があげられますがやはり王道である「パターンプラクティス」は行ったほうが良いでしょう。

パターンプラクティスとは、 「ターゲットセンテンスを用い、単語を少しずつ変えながら繰り返し練習をさせる」方法です。

単純練習ですが、考える時間を最小限に抑えることができるので時間を節約できますし、また反復練習を通して生徒の口からスムーズにターゲットセンテンスが出てくるようになります。

たとえば、本日のターゲットが現在完了形(経験用法)であると想定します。
ターゲットセンテンスはHave you ever + 過去分詞~? です。

その場合、このように進めます。

講師: see a ghost
生徒: Have you ever seen a ghost?
講師: play the piano
生徒: Have you ever played the piano?
講師: buy a car
生徒: Have you ever bought a car?

単語を入れ替えるだけでいいので、生徒はあまり考える必要がなく、
ターゲットセンテンスに多く触れることができます。

ただし、テキストを見つめたままの練習ではなく、できるだけ顔を上げ講師の顔を見て話せるようにカードなどを用意すると良いでしょう。
(デモレッスンの際には、カードは用意できないので板書をしたり、自ら動いてアクションをするなど、動きをつけましょう)

また、使用する単語はあくまで生徒の興味にあったもの、会話で頻繁に使われるものでなくてはなりません。

導入する単語ですが、全てを新しい単語とするのではなく、以前出てきた単語を織り交ぜながら繰り返し定着を図りましょう。

生徒は「覚えていた!」「使えるようになった!」という感動でやる気を起こすものです。

ポイント4:褒め方、間違いの直し方は適切か

「褒め方」「間違いの直し方」の2点はこれまでご説明した課題の提示、練習の行い方とともに最重要事項です。

なぜなら、レッスンはあくまで生徒主体でなくてはなりませんが、これらの2点は生徒の発話に対して講師が行うフィードバックだからです。

講師の説明、アウトプットのほうへ より注意を注ぎがちですが、実際は生徒のアウトプットに対する講師の対応のほうが
雰囲気を作り生徒にやる気を持たせるために大事なことなのです。

生徒が発話をしたときは必ず何らかの相槌を入れましょう。
Perfect! Good Job! Exellent! など、「その内容であっている、大丈夫ですよ」ということが生徒に伝わるようにしましょう。

生徒が間違った英語で話した場合の対応は生徒の性格や状況によって異なります。

(1)発話を重視し指摘はそれほど行わない
(2)ある程度の会話が終わった時点で、間違った部分を書き出し話をする
(3)講師が正しい英語を自然とリピートして生徒に気づかせる
(4)レッスンがすべて終了した時点で 書き出した内容を話してみる

など様々な方法がありますが、生徒の性格やニーズ、状況によって対応を変えましょう。
間違いを指摘しすぎるのも、また 全く指摘しないのもよくありませんのでバランス、タイミングが大事です。

ポイント5:板書の仕方、メモの取り方は適切か

レッスン中わからない単語があったときは必ずメモに書き出し生徒に視覚的に印象付けましょう。

会話の流れで出てきた単語は、聞いただけではすぐ忘れてしまいます。
その都度 生徒に自分でメモをとらせる方法もありますが、
その場合会話の流れが途切れてしまうので、その場で講師がさっと書き出してあげましょう。

大きな教室ではホワイトボードに書き出し、カフェ等でのレッスンの場合は100円ショップなどで売られている小さなホワイトボードか、白紙の紙などに書き出せばよいでしょう。
それを生徒が自分のノートに書き写します。

レッスンの最後に、生徒がメモした用紙を使って簡単なチェック・ミニクイズを行うと生徒もやる気がおこりますし、「今日はこれを習った!」という充実感・達成感を味わうことができます。

ポイント6:目線の配り方、声の大きさは適切か

グループレッスンの場合、講師は意識をして目線を配らなくてはなりません。
たくさん発言する生徒に常に目線を置きがちですが、
全体にまんべんなく視線が移るように意識しましょう。
また、声の大きさは 大きすぎず、小さすぎず 聞き取りやすい大きさはどの程度なのか、研究してみましょう。
部屋の大きさ、周囲の騒がしさなどによっても異なるはずです。

ポイント7:講師の雰囲気作り、演技力、ジェスチャーはあるか

レッスンは 「会話の疑似体験」ですから、ある程度の臨場感を持って臨めることが重要です。

特に応用練習では、ロールプレイなどを取り入れますがその際 講師が先頭に立って役になりきり演技をします。
恥ずかしがっていては生徒はついてきません。

また、フリートークなどでも多少大げさなジェスチャーやネイティブに近いボディーランゲージを使いましょう。
日本語を話すときのように淡々と抑揚のない話し方ではなく、英語のレッスンでは講師は「エンターテイナー」になりきる必要があります。

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