【英会話講師向け】オンライン英会話で学習効果を高める8つの工夫
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この10数年で、オンライン英会話は選択肢の一つとしてすっかり定着しました。昨年から新型コロナウイルスの影響で対面式授業が難しくなったことも、オンライン学習の普及を後押ししました。講師としても指導スキルをあげる絶好のチャンスです。
そこで今回は、生徒に学習効果を上げていただくために講師が出来る「オンラインならでは」の工夫を8つご紹介します。
1. すきま時間を利用して受講してもらう
オンラインレッスンの良さは何といってもflexibility。生徒の都合がよい時間に受講できますので、出勤前の早朝やランチタイム、帰宅後のくつろぎタイムなど、通学スタイルでは無理だったような時間の使い方が可能です。
受講する場所はご自宅だけではありません。職場の空きスペースなど、ちょっと静かで通信環境が整った空間があれば受講は可能です。忙しい生徒には受講時間をアドバイスしてみるとよいでしょう。
2. 写真や実物を活用する
レッスンに興味があるものが登場すれば楽しく学習していただけます。「楽しい!」「それ何?」といった積極的な興味を抱かせることで、学習効果は倍増します。生徒にとっては実物を見せながらやり取りすることで、英語を使ったコミュニケーションのハードルを下げることにもつながります。
写真であれば、画面共有をしたり、チャットに添付するなど、見せ方の工夫もできます。私はときどき、拡大した写真の一部を見せてWhat’s this?クイズをやります。身近なものの名前を覚えてもらう時にも楽しめるクイズです。
また、単語の意味を説明するときには、Google検索して出てきた写真を見てもらうこともよくあります。種類が豊富ですし、まさに「一目瞭然」なのです。ただし、画面共有する前に不適切な写真がないか確認する配慮は必要です。
3. 黒板代わりにWord画面を共有&チャットボックスを使用する
オンラインレッスンでも実際のホワイトボード等を利用してレッスンすることは可能です。ただ、Web会議アプリには、画面共有やホワイトボードの機能、そしてチャットボックスなどが標準装備されていますので、これらを活用しない手はないでしょう。
画面共有では講師がパソコンで見ている画面を、生徒に一緒に見ていただくことが出来ますので、レッスン用に準備した教材をシェアすることも簡単です。
Word画面をホワイトボード代わりにして、レッスン後にチャットボックスに貼り付け生徒に送信すれば、復習も簡単です。
4. 画面・音声共有で動画を視聴する
Web会議アプリでは、画面だけでなく音声も共有できます。YouTubeで公開されているニュースやインタビューなど、様々な動画を教材にして、生徒に生の英語に触れていただくことも簡単です。言語だけではなく、文化に触れる絶好の機会になります。
例えば、日本人が話す際は表情に乏しい、ジェスチャーを使わない話し方でも不自然ではありませんが、外国人と話す時にはどうでしょう?コミュニケーションで重要な役割を担っているのは、実は非言語要素であるジェスチャーや表情です。動画を視聴しながらのレッスンでは、国内にいると当たり前になっていることにも気付くことができます。
良質な発音動画も数多く公開されています。これを利用しない手はありません。
5. 音声の録音をして客観的に見てもらう
録音や録画については、プライバシー保護の観点から講師・生徒双方の同意が必要ですが、学習目的以外に使用しないことを確認したうえで活用すると、モチベーションが上がります。ちょっと恥ずかしがられるかもしれませんが、生徒に自分のスピーキングを客観的に見てもらうよい機会になります。ご本人はどうしても悪いところや出来ていないところに目が行きがちですので、講師側はよくなっているところを積極的に認めて、ほめる必要があるでしょう。
私のレッスンでは、小学生がスピーチの練習をする際に録画機能を活用していますが、生徒自身の目で自分の発表の様子をチェックできるので、学習の励みになっています。レッスン後におうちの方にも動画を確認していただくことが出来るので好評です。
6. 目標と期限を設定する
オンラインレッスンは手軽に始められるため、中には長期間「だらだらと」受講される生徒もいます。その結果、「何年も受講しているのに、全然しゃべれるようにならない」という不満が出てきてしまうのは残念ですし、講師としては避けたい自体です。
英会話を始める動機をお聞きしたときに、何となく「ぺらぺらになりたい」とおっしゃる方は、絶対と言っていいほどぺらぺらにはなりません。その理由は「ぺらぺら」がどのレベルの会話をどの程度できるようになることを指すのかが、具体的ではないからです。
学習をスタートするときは、まず「なんのために学習するのか」という目標を明確にしていただきます。英語をやりたいと考えた生徒の動機は、特に大人の生徒の場合、実にさまざまです。TOEICのスコアアップなのか、英検なのか、海外旅行なのか。ビジネスシーンで英語を使わなければならなくなったのか。プレゼンなのか、会議なのか、海外出張なのか。ボランティア通訳やガイドをやりたいと考えられている方もいます。同様に、目的を達成する道も人それぞれのはずです。
その目標を達成したいのは、3か月後なのか、半年後なのか。ある程度の見通しを立てることで、毎回のレッスン内容も組み立てやすくなりますし、生徒に効果を実感していただきやすくなります。
理想としては、お聞きした学習動機や学習期間、学習法やレッスン内容などを個別の学習プランとして記入し、見える形でお渡しすることが考えられます。学習を進めるうちに計画の練り直しもできて、安心です。
7. 定期受講を提案する
オンラインレッスンは簡単に始められる反面、受講日が特に決まっておらず、自分でその都度レッスン予約を入れるシステムのスクールも多いです。そのうち「予約を入れ忘れた」「予約が面倒になった」などの理由で、レッスンが自然消滅してしまう可能性があります。
これを解消するためには「何曜日の何時はレッスン出来ますよ」など負担にならない程度で、定期的に受講してもらえるよう、講師からも声をかけていきましょう。
8. 事前の課題と復習を出す
何ごともそうですが、学習する側が受け身では、つまらないし学んだこともなかなか身につきません。自発的にレッスンを受講していただくためには、必ず次回につながる課題を出す必要があります。例として、フリートークのレッスンであれば、何について話すか話題(トピック)を考えておいてもらう、前日にやったことを話す準備をしてもらう、などが考えられます。新聞記事を読むレッスンであれば、記事に事前に目を通しておいてもらうことはマストでしょう。
また、レッスンを受けっぱなしでは学習したことが定着しません。チャットボックスに講師が残した内容をざっと復習する、オーディオを毎日聴いてもらうなど、内容に合った方法で復習してもらいましょう。
課題を出すときは具体的に
課題をお出しする際には具体的に伝えましょう。私が生徒だった頃の体験ですが、家事育児に追われていた頃、気分転換がしたくて近くの英会話教室に通い始めました。英会話教室に通うのは初めてだったため、レッスンの冒頭で毎回”Do you have any topics?”と先生に尋ねられても「え~。何を話せばいいんだろう・・・」と困惑しました。
当時、私の頭の中には「幼稚園や小学校のあれこれ」「子どもの病気のあれこれ」などママモード全開の話題しかありませんでした。もちろん、それで十分トピックになりうるのですが、生徒の私にとっては「トピック=社会性の高い話題」という認識があったので「どうしよう、今日もトピックないわ」とどんよりしていました。こんな生徒には「トピックと言っても、こんなでも、あんなでもいいんですよ」と例を示してあげたいですね。
課題や復習を送るときは生徒に負担のない量にする
私は、生徒の気持ちを忘れずにいるために、今でもオンラインレッスンを受講する立場になることがあります。レッスン後の復習にと、大量の資料を送ってくれる先生がいます。その先生は文法的な質問や語法の質問をすると、とても熱心に調べてくれて、あとでファイルを送ってきてくださるのです。
でも、これは私がいけないのですが、あんまり読みません…または、読んでも頭に残らなかったりします。そして、もったいないなあ、申し訳ないなあと反省します。
仕事柄、英語学習に熱心な人でさえそうなのですから、時間がないビジネスパーソンだったらどうでしょう?送られてきたままのファイルをデスクトップで目にしては、自己嫌悪に陥るかもしれません。でも、こんな気持ちに受講生をさせてはいけませんね。親切心で送る資料や教材も、足りないくらいの量がちょうどいいのかもしれません。
オンライン英会話レッスンで学習効果を高める8つのポイント まとめ
オンラインレッスンだからこそ活用したい機能や工夫、注意点をこれまでの7年の経験をもとにまとめてみました。この記事が、「受講してよかった」と生徒に喜んでいただけるレッスンにつながれば嬉しいです。技術はまだまだ進化しています。常にアンテナを張って、効果的な学習法をアドバイスできる講師でありたいですね。