幼児~低学年以下の子ども英会話レッスンで気をつけるべきこと

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英語が小学校高学年で教科となり、英語学習をスタートする子どもたちの年齢は低年齢化してきています。
子ども英会話講師として、保護者の熱意と期待を感じることもしばしばです。

英語でコミュニケーションをとる必要が全くない日本という環境で、子どもたちが英語を身につけるためには、長期スパンで物事を見る必要があります。

そういう点では、子どもたちが幼いうちから英語に触れることは望ましいのですが、一方で、子どもたちの心身の成長を無視した早期教育は危険です。

今回は、およそ小学校2年生までの子どもたちのレッスンにおいて気を付けること、レッスンで使える教材や工夫などをまとめてみました。

未就学児・幼児の英会話レッスンで気をつけること・教材・アクティビティ

小学校に上がる前から英語に触れさせたいと考える保護者は多いです。
幼児にとっては、遊びの延長で楽しく英語を学べることが理想的です。

「英語教室に行っても歌って踊っているだけ」

という批判を聞きますが、それでよいのです。
しっかり英語が聞ける子ども、英語の音やリズムに親しんでいる子どもになることが、この時期の目標です。

体を使って行うアクティビティ・・・歌の例

Incy Wincy Spider
Open Shut Them
Where is Thumbkin?
Five Little Monkeys
Rock Scissors Paper
Seven Steps
Row Your Boat

上記の歌は日本人の子どもたちにもなじみがあり、YouTubeで簡単に検索することができます。
特にSuper Simple Songsでおなじみのウェブサイトsupersimple.comでは、”How to teach”というタイトルで、様々な歌の導入方法や体の動かし方を動画で学ぶことができ、幼い子どもたちに英語を教える先生には重宝すること間違いなしです。

また、mpi松香フォニックスのSuperstar Songsも、幼児から小学校低学年にぴったりの歌が紹介されています。
効果的なアクティビティも紹介されていて、指導者目線でもレッスンで使いやすい教材だといえます。

歌を導入する際は、夢中になれるアクティビティを一緒に行う

新しい歌を導入する際のアクティビティは非常に大切です。
ここで子どもたちに興味を持たせることで、「やってみたい」という気持ちを高めることができます。

例えばIncy Wincy Spiderの歌。
私ならspider/rain/sunのクラフトを作って、お話をして見せます。

Five Little Monkeysであれば、同タイトルの絵本を見せながら歌ったり、登場するmonkeyを数えたり、ベッドでジャンプしていることに気づかせたりします。

歌と手遊びに慣れてきたら、発展編として替え歌を作る楽しみが生まれます。
ただし、無理する必要はありません。

Rock Scissors Paperであれば、定番のsnailやbutterflyの他にもオリジナルができそうですね。
子どもたちとやりとりしながら新しいバージョンを作る楽しみが生まれます。

子供向け英会話レッスンの工夫点(1)

Where is Thumbkinであれば、指ではなく、子どもたちが親しんでいるパペットやキャラクターをしのばせ、Where is Teddy?などの替え歌ができそうです。

歌は同じものを最低1か月は毎回歌う、時々以前の歌をおさらいで歌ってみる、など定着させることにも気を付けます。
幼い子どもたちは覚えるのは早いですが、忘れるのも早いからです。

未就学児・幼児英会話レッスンに適した絵本の例

Five Little Ducks
Goody Goody Gumdrops
Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
Chomp,Chomp,Chomp
(上記すべてmpi松香フォニックス)

この時期の子どもたちには、シンプルでわかりやすい絵、楽しくわかりやすい内容、そして英語らしいリズムの繰り返しがある絵本がぴったりです。
絵本に音声教材(CDやダウンロード音声など)があれば家庭でも聞くことができるのでさらによいでしょう。

新しい絵本を紹介するときは、どうやって子どもたちに興味を持たせるかということに力を注ぎます。
表紙を見せて、描かれているものについて話したり、教室に同じものがないか探したり、子どもたちとやり取りをしながら導入していきましょう。

絵本でできることは読み聞かせだけではありません。
1か月にわたって、同じ絵本を使った様々なアクティビティを積み重ねることで、子どもたちの中に絵本の世界と言葉はしみこんでいくことでしょう。

絵本でできるアクティビティ例

以下に絵本でできるアクティビティ例を少し挙げます。

pointing game・・・先生が単語を言ってその絵を指さします。
I found it! /Here it is.など見つけたときに言う言葉も練習しておきましょう。

open the page game ・・・一人一冊絵本を持っている場合は、先生が言ったフレーズが載っているページを1,2,3で開くゲームが可能です。

お話に慣れてきたら、絵本のページの絵を指さして自分で言える単語を増やす活動もできますね。
仕上げとして、自分の好きなページを音読する、好きな場面を絵に描いて見せる、といった発表スタイルのアクティビティも考えられます。自分でできることを認識させることで子どもたちは自信をつけていきます。

この時期、子どもたちの大半は絵本を「読んでいる」わけではなく、先生やオーディオの音声を聞いて、真似をしている状態です。
そのため、子どもたちは聞こえた通りに発音します。

例えば”It’s a rabbit”が「エツアワビ」になるなどです。
これはよく聞いているからこそできることなのですから、保護者が直したりしないように気を付けなくてはなりません。
こうしたことを知らない保護者も多いため、先生から伝える必要があります。

フォニックスの前の段階・耳を育てるフォニックスアウェアネス

最近では小さいお子さんの保護者からも「フォニックスをやってほしい」とリクエストをいただきます。

ただ、フォニックス学習には前提条件があり、その一つとして「音素の認識ができているかどうか」ということがあります。

これは小学校低学年でもいえることですが、英語の音に慣れるためにはフォネミックス・アウェアネス(音素認識)を育てることが大切です。
読み書き学習が始まる前の段階として、音素に着目した指導を様々なアクティビティを通して意識的に行いましょう。

sing slowly … おなじみの歌を超ゆっくり歌って、どんな音が入っているのかに注目させる遊び。
”One, two, three, four…”をゆっくり歌うだけでも面白く、かつ音に気が付きやすくなります。

clap your hands…単語を音節に分けて手をたたきます。
例えば、動物であればcow (一回)monkey (mon-keyで2回)koala (ko-a-laで3回)のように手をたたきます。

子供向け英会話レッスンの工夫点(3)

いくつかの動物で慣れてきたら、反対に手をたたいて聞かせ、その動物を当てさせる遊びもできます。

初頭音や語末音の置き換え遊び・・・歌に出てくる単語の最初の音や最後の音を他の音に替える遊びです。
monkeysの“m”を子どもたちの名前の最初の音を借りて、例えば「かおる」であれば”konkeys”にして歌うなど、みんなで楽しめる上、聞いてクスクス笑える遊びになります。

その他、rhyming words(hop/top/mopなど)や聞こえた音をつないで単語にするゲームなどは小学生になってからも十分遊び学べる活動です。

小学1・2年生向けの英会話レッスンで気をつけること・教材・アクティビティ

幼児期に引き続き、絵本の時間は欠かせません。
私が大好きなのは”Peanut Butter and Jelly”です。
ピーナツバターサンドイッチを作るまでの過程が、繰り返しと動作を表す表現で構成されていて、耳にも心地よく、ジェスチャー遊びにも最適です。
仕上げに本当にサンドイッチを作って食べると最高ですね。

歌やチャンツも引き続き、レッスンの中に取り入れていきましょう。

日常英語表現を楽しく練習

その他、日常生活でよく使う表現をレッスンの中で使いましょう。

Hello. / Thank you. / You’re welcome. / I’m sorry. / Excuse me. / Can I go to the bathroom? / Can I have a sticker? といった表現はレッスンで実際に使う場面が多いと思います。

それ以外に言えることを増やしていくためには、そのシチュエーションがないと難しいですね。
そのシチュエーションを準備してくれるのが「英会話たいそう」シリーズ(mpi松香フォニックス)です。
CDやDVDも用意されているので楽しくジェスチャーしながら覚えることができます。
また、付属のカードを使って、子どもたち自身でスキットを作ることができるため、力が付く教材です。

アルファベットの読み書き

文字の読み書きには個人差が大きく、特に小文字は大人が思っている以上に難しいものです。
大文字から丁寧に、絵の中から文字を探したり、教室の中で文字を探したり、といった形を認識する遊びから無理なく入るとよいでしょう。

小文字には似た形が多く、背の高さもまちまちです。
大文字と形が似ているわけではないものも多くありますが、繰り返し活動することで個人差はあれども定着していきます。
まずは同じ小文字どうしを線で結ぶマッチングゲーム、慣れたら大文字と小文字をつなぐマッチングゲーム、好きな大文字と小文字のペアを自分で書いてみる時間など、様々な活動で形に慣れ親しむのが理想です。

小学校で英語活動にかかわっていた先生から聞いた活動に「アルファベットの変身」というのがありました。
大文字が小文字に変身する過程を自分で考えて書いてみる活動です。
印象に残る楽しい活動だと思いますのでぜひおすすめです。

子供向け英会話レッスンの工夫点(1)

幼児~低学年以下の子ども英会話レッスンまとめ

英検受験の若年化が著しい昨今、子どもたちは「英語を何のために学ぶのか」という原点に立ち返ることが必要です。

英語を学ぶのは、世界の人々と協力して世界をよりよくしていくため。
そして、幼児期から英語に触れるのは、英語を聞く耳を育てるには最適だからです。

ただし、日本のように日本語で事足りてしまう環境では、積み重ねと継続が欠かせません。
そのためにはその年頃に適した内容でレッスンしていくことが大切であるのは言うまでもないのです。

キッズレッスンを成功に導くためには、私たち講師のたゆみない努力が必要なのです。

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