苦手意識を持たせない、基礎固めの中学1年生英語指導法

苦手意識を持たせない、基礎固めの中学1年生英語指導法

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中学校生活をスタートさせた中学1年生が、苦手意識を持たずに英語学習を進めるためにはどのような指導を心掛けたら良いのでしょうか。「アルファベット」「英単語」「英文のルール」「be動詞」の指導方法について述べていきます。

中学1年生へのアルファベットの指導方法

現在、小学校から英語教育が始まっています。しかし小学校の英語活動では楽しく学べても、中学校の英語の授業となると苦手意識を持つ生徒は多いようです。実際、英語を「書く」という点で困難さを抱えるという声をよく耳にします。例えば、アルファベットの小文字が書けない、英単語が書けない、そして英語が苦手になるという生徒は少なくないようです。そこで今回は、アルファベットの指導方法から生徒が苦手意識を持たないように対応する方法を述べます。

アルファベットを書けるかをチェックする

まず、指導者は生徒がアルファベットの大文字、小文字を全て「書く」ことが出来るかチェックする必要があります。その際、大文字と小文字を隣り合わせで書くと良いでしょう。

中学1年生へのアルファベットの指導方法

この方法にすると「小文字のpは、大文字より下げて書くんだね。」など生徒から気づきの声が上がることがあります。最初の授業で、生徒は英語の4線ノートをきちんと使ってアルファベットを書くことが出来るか確認してみましょう。

生徒の興味や強みを引き出しながら、寄り添って指導する

以前担当した中学1年生のAくんは英語に苦手意識があり、アルファベットを書くことに困難さを抱えていました。
そこで私は「日本語はひらがな、カタカナ、漢字があるけれど、英語はアルファベットの大文字小文字26文字ずつだよ。」と話し、一つずつアルファベットを確認しました。

その際、「Bは大文字と小文字で少し形が違うね。」「Cは大文字と小文字が同じだから、親子だね。」などと話し、生徒に寄り添うよう心がけました。
すると、Aくんから「qは数字の9と形や読み方が似ているよ。」と話しかけてくれることもありました。
指導者は教える立場ですが、寄り添うという姿勢も必要です。

更にアルファベットは名前読みと音読みがあることもAくんへ説明し、理解した後は何度も書いて覚えるよう促しました。
今では、Aくんは積極的に英語の授業を受けてくれます。
中学1年生のスタートの時期は英語学習の土台となる時期です。丁寧に指導することが大切です。

アルファベットの発音練習を楽しく行う

中学1年生は一斉に発音する楽しさを感じていることが多くあります。
是非授業内でアルファベットのAからZまでを一斉に発音してみてください。
私は「1列目に座っている生徒だけ言ってみよう」「早く言ってみよう」などバリエーションを付けて、一斉に発音練習をしていました。

また、LやRは舌をどのように使うのかなどの発音方法も話すと、生徒はとても興味を持ってくれます。
中学1年生は好奇心旺盛で、外国の言葉を話せるようになりたいという気持ちが強いのです。

中学1年生への英単語の指導方法

アルファベットに続き、英単語が書けないから、と英語に苦手意識を持つ生徒も少なくありません。ここでは、英単語の指導方法について述べます。

英単語の覚え方のヒントを与える

以前、playをpley、stationをstasionと書いてしまう生徒(Bさん)がいました。
そこで、何度も書きながら覚えることを提案しましたが、見るとただダラダラと書いているだけです。
これでは残念ながら成績の伸びる学習方法とは言えません。
そこで「英単語を声に出しながら」「集中して書いて覚える」よう促しました。

「英単語を声に出しながら書く」。
この方法によって、声に出すことで、耳からも英単語を習得することが出来ます。
更に集中して目の前の覚えたい英単語に向き合うことが出来ます。
英単語だけではなく、教科書の基本文などを暗記したい時にも「声に出す」ということはとても有効な学習方法と言えるでしょう。

「集中して書いて覚える」。
こちらも大変重要です。たまに「〇回ずつ書く」などの指導を目にすることがありますが、この方法だと生徒は「〇回書く」ということを意識してしまいます。
また、Iやweなどのスペルで苦労する生徒は少なく、上記のplayなど読み方とスペルが合わない単語で差がつくのです。
英単語を覚える際は、書く回数にこだわるのではなく、声に出しながら、覚えたい英単語を覚えるようになるまで書くことが大切です。

同時に指導者は、生徒が英単語と英単語の間を少し空けて書いているかということも確認する必要があります。
(中学1年生の中には、十分なスペースがない状態で詰めて英単語を書く生徒もいます。)

何度も書いた後は、正しく英単語を書けるようになったか生徒自身でチェックするよう促すと良いでしょう。

Bさんは以前英単語に苦手意識を持っていましたが、上記の方法で学習を進めた結果、英単語が書けるようになりました。
そして、英単語が書けると英語に自信を持つようになりました。

英単語はイメージであることをを伝える

単に「英単語を覚えよう、暗記しよう」を促すだけでは、生徒はストレスを感じます。
生徒は、理解してイメージを持って英単語を習得したいのです。

例えば、英単語onを「~の上に」と教えるのではなく「onは接触している時に使うよ。」と伝え、「この教室内でonを使えるのは、どれかな?」と問いかけると、「壁に貼ってある掲示物!」「椅子に座っている時も使えるかな?」など生徒が自ら、どんな時にonを使うことが出来るのかを考えます。
そして、生徒の記憶に英単語がイメージとして残るのです。

中学1年生の英文のルール・英語の基礎の教え方

「英文のルール」と「be動詞」についても、英語の基礎になります。丁寧に指導することを心がけましょう。

英文の基本ルールを伝える

文のはじめに、「I=わたしは」、人名や国名、地名は大文字で書くことを指導します。
また、文末にはピリオドを付けます。特に中学1年生は、ピリオドの付け忘れが大変多いです。
強調して説明しましょう。(中学1年生のスタート時期、私は写真②のように大袈裟にピリオドを書いていました。)

次に日本語と英語は語順が変わることを説明します。
日本語の最後の部分を英語では「動詞」で表し、主語のとなりに動詞を置くという点を確認します。

英文のルール・英語の基礎の教え方

この語順の違いを理解することは、大変重要です。

更に一つの英文に動詞は一つ(必ず一つ入る)ということも確認します。
例えばI am am Aki.は間違いです。←日本語に訳すと「私はアキです、です。」となり、「日本語で変なのは英語でも変!」と私は度々言っていました。

be動詞の教え方

I am~.を学習した後は、You are~.を指導します。
この際、areを使うときは主語がyouだけではなく、主語が複数の時もareを使うという点を強調します。

be動詞の教え方

ちなみに、日本語は「私、僕、俺」など自分のことを表現する際に様々な言葉がありますが、英語はIだけ。相手のことも「あなた、君、お前」など日本語は様々ですが、英語ではyouだけ。このような事も同時に伝えると、生徒は「英語って簡単なのかな」という印象を持ってくれるかもしれません。

be動詞はに関しては、主語がI、you以外の一人、または一つの時に、isと説明します。
(また、後に習う三人称単数現在を今後説明するときも「(現在形で)主語がI、you以外の一人または一つの時に、一般動詞にsを付ける」と説明出来、isと同じであると生徒に気づいてもらうことが出来ます。)

尚、時にはスペシャル問題を出題し、「誰か解けるかな?」と生徒の知的好奇心を刺激するのも良いでしょう。
例えば

問1 Tom and Ken ( ) good friends. (  )の中に入るbe動詞は?
解答 are 

→直前のKenを見て、isと書いてしまう生徒がいるかもしれませんが、主語が複数なのでbe動詞はare

問2「そのメガネは大きいです。」を英語にすると?

解答 The glasses are big. 
→メガネはレンズが2枚なので常に複数形。よってbe動詞はare

ちなみに「ほかに常に複数形になるものは何かな?」と発問し、靴(shoes)やハサミ(scissors)などが該当することを話すと、生徒は更に英語に興味を持つかもしれません。

特に問2が正解出来たら、英語上級者です。大いに褒めてください。

中学1年生向け英語指導法まとめ

中学1年生は、新しい環境や教科書を目の前にして「ここで英語を得意にしたいな」と前向きに考えていることが多いです。
そんな期待に応えられるよう、指導者も丁寧に接する必要があります。
英語が得意になるのか、もしくは苦手となってしまうのか。中学1年生の英語は大きな分かれ道となるでしょう。

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