英単語はこうやって指導しよう~単語指導のポイント/教材選び/テストの行い方

英単語はこうやって指導しよう~単語指導のポイント/教材選び/テストの行い方

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単語の学習は、どんなレベルの学習者にも欠かせません。ですがモチベーションが下がって学習ができなくなる理由のひとつに、この「単語学習」があります。その壁をできるだけ下げるための、英単語指導法をご紹介します。

単語・語彙力があるってどういうこと?学習者が目指すべき目標

まず、語彙力があるとはどういうことでしょうか?どこまで目指せばいいのでしょうか?レベルにそぐわない目標を設定してしまうと、学習者の挫折の原因になります。学習者のレベル毎に適切な目標を設定しましょう。

初級レベル:正しい発音と意味が分かる

初期の段階で学習のハードルはあげたくはないので、まずは正しい発音で英単語を声に出し意味が想起できれば良い、とします。

中級レベル:品詞も分かる。品詞ごとの意味も分かる

正しい発音で意味を覚えられるようになったら、品詞の情報も一緒に覚えることを促しましょう。文法学習の助けにもなります。

上級レベル:共起語(どんな単語と使われるのか)や使い方も知っている

このレベルになると、フレーズやセンテンスを例文で覚えることも視野に入れていきます。

これらを目標に、第二言語習得研究の知見を鑑みて、効率の良い学習法を提示していきましょう。

ひとつ気をつけたい点は、「効率のよい学習法」は、魔法のように楽々と覚えられる方法ではないということです。同じ時間をかけるなら、やみくもに学習するよりも効率がよいというだけです。そのことはちゃんと学習者にも伝えるべきでしょう。

単語学習に最適な教材選び

現在は書籍だけではなく、有料・無料のさまざまな単語学習アプリがあります。学習者が単語を学習するとき、どのような教示を選べばいいのでしょうか。ポイントは4つです。

・レベルにあったものを選ぶ
・見出し語を発音してくれる
・フレーズや例文がある(発音もしてくれればさらに良い)
・テスト機能がついている

1. レベルにあったものを選ぶ

ざっと見て、知っている単語と知らない単語の割合は7対3くらい(多くても6対4くらい)のものを選ぶと良いでしょう。学習をする際に、知っている単語も知らない単語もすべて見直す方が、知らない単語ばかりを繰り返すよりも定着がよくなるという知見があります。また、知らないものばかりだと、学習そのもののモチベーションも下がってしまうからです。

全範囲の中からランダムに20問選び、ざっと意味を尋ねて12問~14問ほど答えられるものを選びましょう。

2. 見出し語を発音してくれる

単語を覚えるときに重要なのは、正しい発音で覚えることです。スペルを覚えるために変な読み方で単語を覚えることがありますが、それは要注意です。それではリスニングには対応しきれません。ひとまずは、「見て分かる」「聞いて分かる」ことが大切です。

リーディング用とリスニング用と二度手間にならないように、最初から正しい発音で覚えるよう口を酸っぱくして学習者に伝えましょう。

3. フレーズや例文がある(発音もしてくれる)

単語の意味を見てもピンとこない時に、フレーズや例文が理解を促してくれます。挿絵などがあってもいいですね。また上級レベルになってくると、その単語がどのような単語と一緒に使われるのかということも知っていく必要があります。
フレーズや例文も発音してくれることにより、読み方の分からない単語がなくなるだけでなく、上級者向けの高度な学習にも後々役立ちます。

4. テスト機能がついている

これは「テスト効果」を使って記憶の長期記憶化を促すためです。記憶は「思い出す」という行為で促進されます。単語を覚えるように学習者に指示しても、ただ眺めているだけ、繰り返し読んでいるだけの学習者がいます。学習時間は取っているのになかなか覚えられない時は、「思い出す」という作業を取り入れられていないことが多いようです。「テストをする=思い出す」を促すことが暗記には欠かせません。

単語の覚え方はこうやって指導しよう~単語指導3つのポイント

単語を覚える際の手順は以下の2つだけです。

・発音と意味を確認
・冒頭に戻って「テスト」×5周

1. 発音と意味を確認

まずは覚えたい範囲の単語の発音と意味を確認していきます(20語~50語くらい)。このとき、発音を聞くだけではなく、自分でも発音してみます。思ったように言えないこともあるからです。アクセントもしっかりオリジナルのものを真似ることが大切です。イメージしやすいようにアクションなどをつけるのも有効です。

日本語の文字を覚えるのではなく、それが「何なのか」を理解していることが大切であることを学習者に伝えることも忘れずに。

2. 冒頭にもどって「テスト」×5周

確認した単語の発音と意味をテストしていきます。日本語を隠して英単語を目にしたら、発音。その時に意味が想起できているかテストします。意味が想起できていれば、合っているか答えをチェック。思い出せない時はすぐに答えを見ましょう。考えている時間はもったいないです。実際リスニングでは待ってくれません。リスニングに耐えうるスピードで意味が想起できることを目指します。

1回の学習で、これを5周させます。6周以上はあまり効果に変化がないという知見があるので、5周で留めます。20語~50語を5周するのに15分までを目安とします。アプリだと選択肢が出るものがありますが、選択肢は隠して、まずは自分で意味が想起できるか確認し、想起した意味が選択肢にあればそれを選ぶようにするようにアドバイスしてください。

3. 見直す周期

「忘れる直前に思い出す」と記憶に定着していくと言われています。ただし、思い出す内容は正確でなければいけません。

インターバル復習とか拡張型スケジュールと言われる「復習の回を重ねるごとに復習する間隔を広げていく方法」はエビングハウスの忘却線とも合っているようです。

ですが一方で、コンスタントに学習をしても、拡張型で学習をしても結果は変わりがないという研究結果もあります。拡張型の場合、どの単語をどのタイミングで見直すのか、管理が複雑になっていきます。

アプリだと、それをベースに出題されるように設計されているものが多くあるので、それを利用するといいですね。ただそのような機能がなくても、コンスタントに学習をした場合も結果が同じであるなら、毎日とか2日に1回とか設定するといいでしょう。

拡張型であれば、1回目の復習テストは翌日、2回目の復習テストはその2日後、3回目の復習はさらにその1週間後、2週間後、1か月後と言う具合です。

単語テストの行い方3つのポイント

1. 単語テストは累積型で

累積型というのは、常に最初からの範囲を含めてテストをするということです。100個のテストを5回に分けてテストするのであれば、1回目は1番から20番まで、2回目は1番から40番まで、とテスト範囲は常に1番からにすることです。

非累積型のテストの方が、各回の点数は累積型よりも高いかもしれません。しかし、すべての範囲を終了した後、少し期間を開けて実施した復習テストでは、累積型の学習をしたグループの方が、非累積型で学習したグループよりもはるかに点数が高かったという実験結果があります。つまり累積型の学習の方が長期的には学習効果が高いということです。

2. テストの仕方

クラス内でテストを行う場合は、筆記以外にも口頭で英単語も発音してもらうといいでしょう。

団体授業の場合は、学習者同士でチェックする形でも実施が可能です。その際はテストを2種類用意します。それぞれのテストごとに解答者側と採点側をスイッチします。解答者は英単語を発音して、意味を言う。採点者は手元の解答を見ながら採点していきます。時間制限を設けましょう。20問なら3分位で十分です。

3. 点数にこだわらない

単語のテストは習熟度を測るものなので、正確な点数を知りたいのは山々ですが、点数を取ることが大事なのではありません。受講生同士だと点数のつけ方が甘かったり、正確な採点の判断ができていないこともあるでしょう。そこは大目に見ましょう。クラスメイトが自分があやふやに覚えていた単語の発音をちゃんとしたことや、間違ったことでその単語が印象に残ることもあります。その事の方が大事だからです。

また、暗記が苦手な学習者や、テストが精神的に負担になって学習そのものが嫌になる学習者もいます。そんな時は、習得のスピードはやや遅くなりますが、いっそのことテストはせずに、ストーリー性のある文章で音読や暗唱練習を行い、単語を少しずつ増やしていくのでもいいと思います。言語の習得には学習を続けることが大切です。

単語指導のポイント まとめ

避けられない単語学習を成功させるためにも、指導者が具体的に学習方法を提示することが大切です。学習者が単語を覚えられないのは、覚え方を知らないからです。レベルのあった教材で、具体的な学習方法を提示し、テストで適度な負荷をかけつつ、挫折しないよう私たち指導者が役にたてるようになりたいですね。

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