生徒が進歩を感じられない時に講師がチェックするべき2つのこと

講師がチェックするべき2つのこと

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生徒さんが進歩を感じられないーーーこれは講師としては深刻なことです。
そしてまた、さらに状況を深刻にすることは日本人の特徴として不満を口にだして言わないため進歩を感じていないのにそれを伝えることをせず黙っていることが多いということです。

本日はどのようにこの問題に対処したら良いか、考えてみたいと思います。

(1)生徒さんが上達を感じられない、その実態

日々レッスンを教えていて下記のような経験はありませんか?

●毎回楽しそうにレッスンを受けて下さる生徒さん、お休みも少なくレッスンは順調だ、と思っていた矢先、突然レッスンをやめたい、と言われてしまった。理由は忙しくなったから。

講師目線で見て、レッスンを始めた頃と比べると大分スムーズに言葉が出るようになってきた。What did you do last weekend? といった質問にもちゃんと答えられるようになってきたな、と感じ、“大分慣れて、言葉がでてくるようになりましたよね”と声をかけたら、“そうですか。それならいいんですけど、私自身は全然進歩していない気がするんです。”とあっさり言われてしまった。

生徒さんは“楽しく簡単な英会話ができるようになりたい”“気軽にちょっと話せれば良い”という風なことを言っていても、
やはり“英会話のレッスン”に来ているので、“上達した”といった実感が持てないと長く継続するのは難しいでしょう。

それでは、生徒さんに“上達を実感”して頂くにはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか? 次の項で考えてみます。

(2)生徒が上達を実感できないときに講師がチェックするべき2つのこと

講師が日本語に頼りすぎていませんか?

日本人講師に習って上達しない理由の一つに、「初心者の指導に際して講師自身が日本語に頼りすぎているために、生徒さんが英語脳になれない」、ということがあります。

特に超初心者を教えている時にありがちなケースは、ついつい講師が日本語で説明してしまう、ということです。
たとえ、超初心者であっても、あるいはだからこそ、最終的な目標は英語を話せるようになるのだ、ということを見失うことなく、できる限り英語で指導することが理想です。
会話のセンスが欠如している方を指導するのに、最低限の日本語で説明してしまうのはある程度仕方のないことですが、あくまでも本来は英語でやりとりをするのだと言うことを肝に銘じて、日本語を使ってしまった後は英語に軌道修正することを忘れないようにしましょう。

初心者を英語で会話指導するコツには下記のようなものがあります。

A.予めクラスルームイングリッシュを教えておく

英語は読んで解読するものでなく、“使うもの”ということを実感していただく。
英会話は学校英語のように理屈で考えてもだめです、というような説明をするよりも、
まずは講師が実行してみせることが効果があります。

B.生徒が分からなかった時、ジェスチャーや例を示すなど、説明以外の方法で分かって頂くようにする。

説明はえてして練習している英語そのものよりも難しくなるものなので、日本語に頼ってしまいがち。
ここで、講師が生徒さんの脳を日本語脳にしてしまいます。
例えば、身近な例でいうと三単現のs.

一人称が、三人称が、といった説明よりも、

I play tennis. You play tennis. He plays tennis. といった例を示し、He plays tennis. のsをちょっと強調して発音してみせ、リピートしてもらったほうがはるかに効果があります。

C.日本語での文法説明は初心者には厳禁(初級後半から中級者には限定的にOK)

文法的なことは上記のように例を示すだけで十分です。
逆に言うと説明しないと分かっていただけない、ということは、その生徒さんにとって難しすぎる、ということです。

会話はあくまでも、“理解“ではなく、”使える“ことを目指すので、説明しなければわからないことを使えるようになるまでに持っていくのは無理があります。扱う教材のレベルを下げましょう。

毎回のレッスンで生徒さんに“今日はこれが言えるようになった”という実感をもたせてあげられているでしょうか?

テキストに沿って会話練習をしました。
語彙のチェック、ダイアローグのリピート練習、単語の入れ替えをしてパターンプラクティスをしました。
文法のチェックをしました。
1時間が経ちました。

さて、講師として、今日のレッスンでこの生徒さんは確実に何か言えるようになった、と自信が持てますか?

レッスンは講師主導で進むもの。
テキストを読み上げたり、リピート練習をスラスラしたりしていても意外と生徒さんの心理は受け身なもので、例えば、直前にリピートした1フレーズをもう一度言ってみてください、と言っても思い出せなかったりするものです。
そのようなレッスンを1時間しても生徒さんは何かを学んだ、という実感をもてないことが多いものです。
こうした、レッスンの積み重ねをすると、英会話を1年習ったけれども、なかなか進歩しない、テキスト内のことは言えるけれども、自分の言いたいことは言えない、といったパッシブな不満を持つことにつながります。
それでは、生徒さんに“何かが言えるようになった”と実感して頂くためにはどうしたらよいのでしょうか?

A.レッスン冒頭でのフリートークの一部をピックアップし、講師が適切なフレーズでリフレーズ

その部分を生徒さんに確実に言えるようになって頂く。
初心者ならば、1文か2文(センテンスレベル)、初級から中級ならば1パッセージを講師がリフレーズしたものを、“本日の表現”としてピックアップ、
生徒さんがノートテーキング→ノートテーキングしたものを見ながら2-3回リピート練習
→ノートを見ずに2-3回リピート練習→生徒さんに言ってもらう、というステップを通して確実にレッスン内で言えるようになって頂きます。
そして、それを覚えてくることを次回までの宿題、とします。
次のレッスンでは冒頭にそれを言っていただきます。
それから、その回のフリートークをし、同じことを繰り返し、積み重ねをします。

B.テキスト内のターゲットダイアログは確実に言えるまでレッスンで練習。

テキスト内のダイアログ練習もリピートやテキストを見ての練習がスラスラできた段階で終わりにはしないように心がけましょう。

お勧めの基本手順は以下のようになります。

テキストを見てのリピート→ テキストを見ての役割練習→テキストを閉じてのリピート練習
→ テキストを閉じての役割練習→ テキストを閉じてボディラングエージ、アイコンタクトを

伴った役割練習
→ 最後に、生徒さんの身近な単語に置き換えて同じ練習をする

このように完全に自分のものになるところまでレッスン内で持っていくように心がけます。

C.学習事項の確認

さて、上記のように生徒さんに確実にターゲット事項を身につけていただいた上で、レッスンの最終段階で「今日は・・・・が言えるようになりましたね」、と生徒さんにご本人が身につけたことを、講師の方から一言気づかせてあげましょう。
前の項でも述べましたが、生徒さんのマインドセットというのは一般的に受け身な人が大部分です。
また、英語に苦手意識を持っている方というのは常に自分は進歩しないのでは、というネガティヴ思考にとりつかれている方が多いもの。 
講師の方から積極的に、“ここが進歩している。言えるようになっている。”とポジティヴな面に目を向けさせて差し上げる必要があるのです。

如何でしょうか?

今、目の前にいるこの生徒さんが、レッスンを始めた時から終わった時までの間で何が言えるようになったか、そのことを常に意識しながらレッスンをしたいものです。
それは、如何に上手くレッスンを進められたか、ということより遙かに大事なことなのです。

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