大学英語講師のITを使った効率指導法とは?英語嫌いの生徒が自信をつけるアプローチ《江藤先生》

英会話講師とITスキルを掛け合わせるキャリアパス

アルクで7年弱の教務スタッフとして活躍、その後、楽天での社員英語教育や英語教育アプリ開発責任者などを経て独立した江藤先生。現在は、英語教育アプリ開発の請負や子供向け英語塾の講師、そして大学での英語講師をされています。英語だけではなく、仕事を通して培ってきたIT知識も駆使してキャリアパスを切り拓いていくスタイルが、これから多くの英会話講師にとってモデルとなりそうです。

大学での英語講師の仕事の際も、ITを活用して無駄をなくし、学生の授業や宿題の効率化をしているそうです。独自で契約している教育系のシステムの利用法など、詳しく伺いました。

英会話講師業を圧倒的に楽に&質も高くするIT活用術

■江藤さんは独立した現在、大学での講師の仕事と塾で小学生に教える仕事もされている、とのことですが、実際に教える仕事でもITを使ったりしているんですか

アルクや楽天などで英語教育のアプリ開発に尽力してきたはい、効率化できるところはITを導入して、生徒とのコミュニケーションやコメントなどに時間を使っています。

とくに大学での仕事は、ちょっとしたITを使えばすぐに効率化できることがいっぱいあります。

たとえば、板書は全てパワポで事前に準備しています。パワポってIT?っていうレベルですが、たったこれだけでも生徒と向き合った授業づくりができます。

板書をしていると、先生が後ろを向いちゃうから生徒の顔を見れないですよね。

でも、パワポを使っている私は、一度も後ろを振り向くことなく授業ができるわけです。

しかもパワポのスライドってリサイクルできるから、準備の時間も板書する時間も節約できるんですよ。いいことづくめです。

パワポ以外にも英会話講師+ITで誰でもすぐに真似できることはありますか?端的に言うと、先生の仕事が劇的に楽になるような(笑)

ありますよ。これは大学英語講師に限らない話ですが、先生業の大きな仕事には宿題チェックがあります。

宿題管理は効率的に!

LMSと英会話講師の関係は蜜月になっていく「宿題をしてこない学生も多い」という話はどこでも聞きますね。生徒が宿題をやらない理由は複数ありますが、大きな理由の1つは「やったかやってないかをチェックされない(と生徒にバレてる)から」です。

「どうせチェックしてないでしょ」って思った瞬間に、宿題から逃げる学生は多いです。

が、私は逃しません(笑)

大学側は用意してくれないので自分でお金を払い、納得の行くLMS(ラーニングマネジメントシステム)を使っています。これはコンテンツを先生が載せたり配信したり、学生の学習管理ができるシステムを使っています。

江藤先生 が推薦するLMS「Edulio」

時間外労働を減らしつつ、生徒とのコミュニケーションを増やす

先生が時間以外の仕事を増やしちゃうと時給換算がとても安くなるから、宿題の添削を先生もしたくない、だから、宿題を出さない、という先生もいます。私はそれを、自動添削できるようにネット上に置いているんです。問題と答えを入れておけば、生徒たちがオンラインで宿題を出すと瞬時に添削してくれるので、私の方には成績データが残る形になります。

例えば「教科書の問題を100ページ解いてきて」と学生に言っても、授業中に30人ひとりひとりを見て丸つける暇もなければ、それを持ち帰ってやるのも面倒くさいですよね。でも、ネット上に置いちゃえば、学生はみんなそれをオンラインでやって提出します。

英会話講師の仕事は効率化する中に活路を見出す音読もそこで全部提出させるので、「3回って言われてもやったかやってないか分からない」みたいな先生の悩みはないし、全部証拠を残す。IT使うと証拠だらけですよ(笑)

時間外労働を増やしたら時給が下がるから何もやらない先生も多いけど、それじゃ学生が可哀そうだなって思います。先生の厳しさによって、同じテキストを使ってても学べる量も内容も全然変わりますよね。私が担当している生徒たちは良い学習習慣が身に付いてるはずで、ほかの授業を受けたときにすごく余裕を感じるんですよ。

IT+英会話講師の力で、生徒に英語の成功体験を!

■いいですね、自費だとしても講師ライフがリッチになりますね。IT開発現場に社長業に講師業と大変お忙しいと思いますが、忙しくても大学で教えてみたかった理由はありますか?

これまで日本の幼稚園児と小学生、それに社会人を教えた経験は多くありまして。小学生は結構できる&英語が好きな子もいっぱい見てるのですが、社会人になると途端に英語が嫌いな人が増えるんです。「何が起きてこんなに英語が嫌いな人が増えるんだろう?その間に何が起こって、みんなこんなにできなんだろう?っていうのが知りたくて大学英語講師に関心を持ちました。

そして「ああ。こうやって何も教わってない子もいるから、こうなっちゃうのね」っていう(笑)

英語が嫌いな人≒英語の成功体験がない人

英会話講師として、社長として、これからの英語教育にどう貢献していくか考えている特に私が今受け持っている子たちは、英語が大っ嫌いっな子が多くて。大っ嫌いな理由は一度も成功体験がない、ということです。中学校で取り残されて、ずーっと成績悪いままで来ちゃって救済されてないんです、どのタイミングでも。さらに、AOで入ってきてるから大学受験で英語の勉強はしていないし・・・。

私の授業では、最初に英語好きですか?今までどうでした?みたいなアンケートからはじめるんですが、ほぼ全員、英語が嫌いなんです。そこからのスタートなので「一番嫌いな理由はなんですか?」と聞くと、「文法が分からない」ってみんな書いています。ちなみに私も文法はあんまり得意じゃないんですよ、そうやって勉強してないから。(英語はアメリカで身に付けました)

なので、「大丈夫です。先生も文法用語が大っ嫌いです!」って言って(笑)

英文法からスタートしなくてもいい

「文法は大っ嫌いでも、文法的に正しく話せるし、書けるようになるから。それは、英語をいっぱい聞いてれば。聞いた英語と同じようにすればだいたい合ってるから。」って、一切文法を説明せずにパターンプラクティスにしちゃってる感じですね。

英語を聞いて、見て、「じゃあそこに、これが自分の文になるように主語をIにして、ホントのことになるように書き替えて」ってやってます。

最初は文章がぐちゃぐちゃだった子がいますけど、「もう一旦、過去の知識は捨てて。それでとりあえずこれで1回、例文を頭に突っ込んでみて」って言ってます。

■文法がわからなくても、正しい文をたくさん聞けばただしい英語が身につく、ということでしょうか。

はい、そうです。この方法で学生の伸びも学生からの授業アンケート評価もすごく高いです。「こんな英語の授業うけたことない」という評価をもらいました。文法を言わない先生の授業って確かに受けたことないだろうな?と思います。

ただ、基本的に「書く」課題については、間違いが多くなり、返された課題は赤字だらけで学生は凹みます。だから代わりに、ネットでLMSを使って提出させている音読で、ものすごい褒めるんですよ。生徒の音読はすべてLMSで記録に残っているので期初よりも上手になってきたタイミングで「”As a matter of fact”の読み方はイントネーションも強勢も、音のつながりも、まるでハリウッド女優さんみたいですね」とコメントを返してあげるんですね。

そうすると、「ちゃんと聞いてくれてる」「ちゃんと評価してくれている」と学生にも伝わり、自ずとやる気があがりますよね。

甘やかしすぎと言われることもありますが、音読用のお手本音声もLMSにアップしてあげています。アップしていないと自分でダウンロードするのが面倒で、お手本を聞かないで練習するので無意味なんです。しかも、ちゃんと聞いたかどうかもデータで残ります!

アンケートでは、「はじめて英語の授業が嫌じゃなかったです。本当です。システムを使った勉強方法は、自ら家で課題をやろうという気になれました。」というコメントももらいました。学び方・宿題の管理すら苦手な学生もいるので、LMSを使い、自分のページを開いて上から順番にやっていく方法は分かりやすいようで、課題管理が苦手な学生にも優しい仕組みです。

音読三分ルール

興味深いですね。ITツールで効率化して捻出した時間を生徒の成功体験を作る時間に再投資しているわけですね。その際にもLMSが役に立つと。もしよければ先生の音読の課題について方法論を教えていただけますか?

英語を教える仕事が好き私は音読に時間制限をかけているので、流暢に読めないと提出不可なんです。3分以内にこの文章を録音して出さないとアウトってしてるから、結局その3分に収まるまでみんな何度も何度も練習してくるんです。だから必然的に何度も英文を頭に叩き込んでて、それをめちゃくちゃ褒めちぎられるから、またそれで「これならできる!」という自信になります。

自分で文を書くのが上手になるには時間がかかるけど、音読は英語の発音の注意点(一つ一つの音、リエゾン、イントネーションなど)を理解したうえで、音まねできればできるんですよね。
だから、絶対にやればできるタスクを1つ与えて、そこでもものすごい褒めてるから、「英語でこんなに褒めてもらったことなくて泣きました」って書いてた子もいました。

これまで英語に泣かされてた子たちがすごい褒められてるから、これからもきっと、英語を続けるはずなんですよね。

「嫌いな英語でもなんとかなった」っていうことは自信になったり「何事も最終的になんとかなるさ」っていう気持ちも育つと思います。

特にAOで入ってきちゃった子たちってそういう成功体験がないから、嫌いな英語でこそ「頑張った私!」っていう自信になるみたいですね。

今は早く仕事を辞めちゃう人が多いとか、ニートが多いとか、色々言われてるのも、「好きなことをしたいから辞めます」という理由も多いみたいですけど。多分そこの“あきらめポイント”がすごい早いんじゃないかな?と思うんですよね。

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江藤先生

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