学び方を工夫すれば英語は難しくない!学生時代に求めた理想の授業を実現していきたい(Sachiko先生)

大嫌いだった英語、まさか教える側になるとは

やっぱり昔から英語が好きで先生になりたかったんでしょうか

英語の勉強、大嫌いでした(笑)とにかくテストのための授業に面白みが感じられず嫌いになりました。とはいえ受験に必要だったので自分で勉強したんです。その時に発見したのが、学び方を工夫すれば英語って難しくない!ということでした。

自分でクイズ番組みたいに勉強時間を演出したり、マイルールを作って勉強に緊張感を持たせると勉強が辛くなくなるというのが大変面白いと感じました。

それで英語嫌いは克服したのですが、先生になりたいとは全く思いませんでした。
心理学やカウンセリングに興味があって大学進学を決めたので、産業カウンセラーの資格を取って、企業内の人材教育のような職種に就きたいなぁと考えていたんです。ただ、どこかで英語への興味や、なんであんなに学校での勉強はつまらなかったのだろうという疑問は持ち続けていました。
そういったこともあり学生時代にハワイに短期留学もしました。

安定した職場を辞して英語教育の道へ

就職先は英会話を使うとか全くないところだったんですか?

はい。大学を卒業して、百貨店で女性靴を扱う企業に就職しました。内勤ののち店舗で販売をする部署に配属となりましたが、ゆくゆくは人材教育に携わる部署に行きたいと思っていました。でも、靴を販売する日々の中で気づいたのは、企業で言われる「人材教育」というものは営業テクニックに偏っていて、私が思う人としての成長をサポートしたいというものとは違うということでした。

それで、将来設計を見直すため、それまでの経験や自分の性格を踏まえて自己分析をやり直しました。その時に強く思い起こされたのが、英語を克服した時の体験でした。英語なら辛くても頑張れるかもしれない、と(笑)。

なるほど。それで教える仕事を始めたんですか?

いえ。モラトリアム真っ只中の学生時代に体験したハワイの文化に引っ張られて「よし、ハワイだ!それならツアコンになろう!」と思い立ちました。
それで、留学準備中に英会話スクールのスタッフとして働き始めたんです。ただ機会は偶然、突然訪れました。ある日、スクールの先生が突如来れなくなってレッスンに空きが出てしまい、ピンチヒッターとして急遽レッスンに入ることになりました。

小学生の英会話クラスでした。
そのとき生徒たちが、全く知らなかった単語や文法を授業を通して使いこなせるようになっていくのを目の当たりにして、これだ!!と思ったんです。大嫌いだった英語を克服した経験があれば、英語嫌いな人の立場になってサポートすることが出来るのではないかと。

ハワイでツアコンから英語の先生に急展開ですね(笑)

そうですね(笑)。
それで、バンクーバーに留学し、ESLとTESOLのintensiveコースを受講しました。

帰国して、別の英会話スクールに就職しました。ただ数年経つと「そうは上手くいかない」「思い描いていた楽しいレッスンが実現できない」と、自分の知識と技量不足に悩みました。

そこで選んだのが、TESOLを本格的に学ぶということでした。そこから英会話スクールで働きながらTeachers Collegeで学ぶという生活が始まりました。5年以上そういう生活を続けてTESOLを修了した後、現在は大学で英語を教えています。

TESOLを活かして、学生時代の自分が求めた授業を展開していきたい

もともと人材教育に興味があったこともあり、大学では学生が英語学習を通して少しでも社会にでる準備ができるようなレッスンを心がけています。

中でも意識しているのが、学生同士が力を合わせて課題を解決する協同学習と、学生が自律学習を身につけることです。

とても興味深いです。具体的にはどんな指導法をなさっているんですか?

例えば、授業によくある「教える先生対教わる生徒」という構図ではなく、学生同士にグループを組ませて学習目標を与えます。あるクラスでは、グループ学習の時間を作り、学生が互いに教え合います。先生は質問に答えたりヒントを与えてグループをサポートするファシリテーターの立場で学習の手助けをします。最後には、敢えて先生対学生グループという構図を作り、学習目標に対してどのような学習成果を得たのか発表させます。場合によっては突っ込んだ質問もします。その時に発表者が詰まれば、メンバーにサポートさせることで、ひとりに責任を押し付けて終わりではなく、最後までチームとして課題解決に取り組む協力体制を築かせています。

また、グループ内で協同学習を促進する一方で、生徒1人1人にどんな学びがあるのか、どういう進捗かを振り返る時間を設け、必要ならサポートしています。

個々人に自律学習を習得させるフローは体系化されている訳では無いので、常に1人1人に何が必要なのかを考えながら、学生自身が主体となって協力しながら課題を達成させるフローを経験させることが、英語に限らず社会に出てからも通用する協調性や自己効力感を育てると思っています。

楽しそうですね!自分が思い描いていた授業ができているんですねー。

まだまだ勉強中ですし毎日試行錯誤の連続ですけど、英語はやり方しだいで面白くなると学生時代に気づき、自分ひとりで実践してきたことを、いまは学生達と共有できていることが嬉しく、やりがいを感じています。

学生に尋ねると、大勢が「できることなら英語を習得したい」と思っている一方で「英語ができるようになるとは思えない」と答えるんです。そういうメンタルバリアを取っ払って、「自分にもやれる」と気づいてもらうことが私の目標です。

Sachiko先生
学生時代は自称「英語アレルギー」。自身の英語克服の経験から、婦人靴会社勤務を経て英語指導の道へ転向。埼玉県内の英会話スクールにて、小学生から大人を対象に文法・会話・発音・TOEIC対策など、幅広く指導する。現在は大学の非常勤講師として自律学習・協同学習をテーマに授業を展開している。
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